ブルック トレンド
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2025.11.27 11:00
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ブルックナーの4番は、意外にヴィオラが大活躍。時には金管相手に大きく出る箇所もあります。それがここです。
僕個人的に4番で最も好きな箇所です。ブルックナー入門として初めて聴いた時からここの金管コラールの虜になりました。ヴィオラもこんなに動いていて、実にヴィオリスト冥利に尽きます。
第1楽章展開部後半の金管の大コラールですが、ヴィオラはそのコラールを推進する非常に大事なパッセージを最後まで弾き切っています。流石に音量が足りないので、途中から木管のアシストが付きますが、最初はヴィオラだけでホルン4本の大ユニゾンに対抗していて(それぞれのディナーミクの差に注目!!!)、全体を通して常に楽器を鳴らし切ることが求められます。
いうまでもなく全ての音を全弓で、しかもフリクションレスな音色で開放的に演奏しなければなりません。コラールの推進役としての役割を考えると、弓のスピードも相当速くしなければならず、かなり高度なボウイングが求められるのです。ヴァイオリンよりどうしても遠くに音が飛ばないといわれるヴィオラで限界突破できるか、大きな試練でもあります。
実はこのパッセージ、後日取り上げる超有名な箇所と並んで、オケのオーディションに出ることがあります。たった1人で弾く時でも、大音量を出そうとして弓を押したらアウトです。壮大なコラールに合った開放的な音色も、音楽の推進力も、魅力的な和声変化も表現できるか、色々問われます。このスコアを見ながらよく勉強してください。 November 11, 2025
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ブルックナーのとっつきにくさを助長しているものに、彼独特の語法があるかも知れません。ここではブルックナー開始、ブルックナーユニゾンについて取り上げますが、実はこれらの語法は、ベートーヴェンの第九から借用されていると言われています。
4番にもそれが見受けられるので、今回見てみます。
ブルックナーのほぼ全ての交響曲の第一楽章は、弦楽器のピアニッシモのトレモロもしくは刻みで始まります。これがブルックナー開始です。原始霧とも形容されるこの語法が、これから始まるこの交響曲への期待感を作り出してくれます。特に4番は雄大な自然の朝を想像させてくれ、まさに「ロマンティック」という副題に相応しいといえます。
またこの曲の終楽章も似たような開始後、全ての楽器による大ユニゾンに到達しますが、これがブルックナーユニゾンです。他の声部が全くなく、ぶきっちょにも聴こえるかも知れませんが、これこそオルガニストならではの彼の個性です。この不器用な感じも、実は晩年の作品では洗練されていきます。この語法の素晴らしさは晩年の作品(個人的には特に9番を推します)の方がわかりやすいかもしれませんね。
さて、ここでベートーヴェンの交響曲第9番の第一楽章の最初を見てみると、こちらもまた、弦楽器のピアニッシモの刻みから始まっています。そして次第に他の楽器も集結し、全楽器による大ユニゾンに到達します。
この壮大な語法を、ブルックナーは多くの交響曲で借用しているのです。ブルックナーの交響曲の原型はほとんどベートーヴェンの9番にあるといっても過言ではありません。
しかしそんなブルックナーでも、実はブルックナー開始に関しては、ベートーヴェンと決定的に違うことがあります。
ベートーヴェンの9番の第一主題は、この大ユニゾンです。原始霧の箇所で出てくるのは、その第一主題の断片です。これらが集結して、壮大な音楽が始まるのです。
しかしブルックナーは第一楽章に関してはそうではありません。この原子霧の奥からもう第一主題が提示されているのです。これはほぼ全ての交響曲で例外はありません(本当の例外は5番だけ)。
開始楽章の第一主題提示に関しては、ブルックナーの独自の表現法と言えるかもしれませんね。
むしろ4番に関しては、終楽章がベートーヴェンのそれにかなり近いです(しかしこちらはそれまでの楽章の断片が出てきます。これも第九の合唱の前からのアイデアと思われます)。
模倣、借用は創造性の基本といわれますが、不器用な性格ながらも彼はそれを何度も何度も各交響曲でやっていたといえます。
そうはいっても周りの意見に振り回されながら何度も書き直すことも繰り返したブルックナー。その人間臭さにちょっと共感するのも悪くないと僕は個人的に彼を見ていて思うのです。 November 11, 2025
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https://t.co/42XtgbVmPL #nowlistening
弦、金管共に壮麗な演奏。
これぞイメージするブルックナーに近いのではないか。特に金管は鳴らし切っているのに全くうるさくないSKDの特性が出ているように感じます。 November 11, 2025
→コンマスのホーネックに接近して細かいニュアンスを迫るこの指揮者はともすれば「木を見て森を見ず」という曲の構造が曖昧になる可能性も孕むのだが、昨夜はむしろその微細な表現から出る伸縮=小川が大きなうねり=大河へと繋がるよう演出していたように思う→
#ティーレマン #Wph #ブルックナー5番 https://t.co/Gm1QdasjDY November 11, 2025
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