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脳のネットワーク
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2025.11.25 06:00
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陰山先生の投稿が興味深い。
知能指数が何なのかを捉えそこねている教育現場が、まだまだ多いということなのでしょうね。
僕なりに整理しておくと
●知能指数(IQ)は、
「与えられた課題に対して、どれだけ速く・正確に・一貫して処理できるか」を測るテスト指標
●その背景には、
生まれ持った神経特性(遺伝的要因) と
経験・学習・訓練による処理スキル(環境要因)
の両方が影響している。
● IQは「頭の回転のスピード」「情報を扱う正確さ」「作業の持続力」など、
テスト当日の“処理状態”を数字化したもの。
● 生まれつきの神経のつながり方や反応の速さは、たしかに土台となる。呼吸のリズムやまぶたの動きの速さのように、そもそもの個体差がある。
● ただし、日々の読書量、会話経験、遊びの質、学校での学び方などが、脳のネットワークを大きく変化させるため、IQは固定的ではない。
● IQだけでは、「意欲」「感情調整」「創造性」「対人理解」など人の能力の多くを説明できない。
だから、子育てではIQよりも“どんな学び方をする子か”を捉えるほうがずっと大事。
●しかしIQが「学習効率」に深く関わるのは事実なのだから、IQを高める訓練を施すことによって、学習しやすさを高めてあげることが有益なのは間違いない。
といったところでしょうか。 November 11, 2025
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ADHDの人に見られる「時間感覚のズレ(Time Blindness)」は、脳の時間処理と実行機能の特性にかなり深く関係していることが、メタ分析レベルで示されつつあります(Marx et al., 2022; Zheng et al., 2022)。
ADHDの人によくあるこんなこと:
・締切ギリギリになってからしかスイッチが入らない
・「5分だけSNS」と思ったら1時間たっていた
・時計を見ても、体感としてピンとこない
・「あと10分の待ち時間」がやたら長くてソワソワする
最近の研究では――
・子ども〜大人を対象にしたメタ分析で、1秒が長いか短いかを見分ける「時間弁別」
、頭の中で数えて当てる「時間見積もり・再生」など、ほぼすべての時間課題で誤差が大きいことが示されています(Marx et al., 2022; Zheng et al., 2022)。
・成人のADHDのレビューでは、注意・ワーキングメモリ・抑制などを含むネットワーク全体の問題として理解した方がよい、とまとめられています(Mette, 2023)。
・fMRI研究のメタ分析では、小脳や前頭前野など「時間を処理する脳のネットワーク」の活動パターンが、ADHDでは定型発達と異なることが報告されています(Hart et al., 2012)。
こうした知見を背景に、研究者の一部は
「時間感覚の違いは、ADHDの中核的な側面のひとつとして評価すべきだ」と主張しています(Ptacek et al., 2019; Weissenberger et al., 2021)。
ADHDに見られる「今この瞬間」に強く引っ張られやすいことや「未来」がぼんやりして、締切や約束がリアルに感じにくいこと。これは意志の弱さではなく、「時間の感じ方と、その扱い方」の特性として説明できる部分があるともされています。
だからこそ大事なのは、自分の時間のリズムを前提にした工夫:
・時間を外に「見える化」する(アナログ時計・タイマー・カウントダウン)
・「次の5分でやる一歩」に細かく刻む
・締切を「公式の締切」と「自分用の締切」に二重化する
#ADHD #時間感覚 #TimeBlindness #発達特性 #脳の多様性 #支援
―――――
参考文献(抜粋・APA形式)
Marx, I., Cortese, S., Koelch, M. G., & Hacker, T. (2022). Altered perceptual timing abilities in ADHD: A meta-analysis. Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, 61(7), 866–880.
Mette, C. (2023). Time perception in adult ADHD: Findings from a decade—a review. International Journal of Environmental Research and Public Health, 20(4), 3098.
Zheng, Q., Wang, X., Chiu, K. Y., & Shum, K. K. M. (2022). Time perception deficits in children and adolescents with ADHD: A meta-analysis. Journal of Attention Disorders, 26(2), 267–281.
Hart, H., Radua, J., Mataix-Cols, D., & Rubia, K. (2012). Meta-analysis of fMRI studies of timing in ADHD. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 36(10), 2248–2256.
Ptacek, R., et al. (2019). Clinical implications of the perception of time in ADHD: A review. Medical Science Monitor, 25, 3918–3924.
Weissenberger, S., et al. (2021). Time perception is a focal symptom of ADHD in adults. Medical Science Monitor, 27, e933766. November 11, 2025
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