「NEXT MATCH」
この言葉が一番似合うクラブは、やっぱりレアル・マドリードだと思う。

相手はアラベス。
場所はエスタディオ・エル・プラド。
カードだけ見れば“取りこぼせない一戦”。
でも、マドリーにとってこの試合は、
順位のためじゃなく、流れを支配するための90分だ。

注目は、攻撃でも守備でもない。
“誰が主語になるか”。

今のマドリーは、
スターが並ぶチームじゃない。
主語が入れ替わり続けるチームだ。

ある試合はベリンガム。
ある試合はヴィニシウス。
ある試合はバルベルデ。
そして、静かに全体を締める中盤と最終ライン。

相手がどこを消しに来ても、
「じゃあ今日はこっちで行く」と
顔色ひとつ変えずに進路を変える。

それが今のレアル。

アラベスは、
・ブロックを組む
・スペースを消す
・カウンターを狙う
おそらく、そう来る。

でもマドリーが一番強いのは、
相手が“正しい守り”を選んだ時だ。

ボールを持たされる。
焦らされる。
時間が過ぎる。

その中で、
一瞬だけ集中が落ちた場所に、
必ず誰かが現れる。

このチームは、
「攻める」んじゃない。
“起きるべきゴールを待つ”。

だから、試合は静かに進む。
でも、空気はずっとマドリー側。

このカードで問われるのは、
勝つかどうかじゃない。

・90分をどう使うか
・誰がリズムを握るか
・次のビッグマッチに何を残すか

全部含めて、
これは“通過点の試合”。

それでも、
通過点を雑に扱わないのが、
レアル・マドリード。

次の一歩を、
次の主語を、
次の基準をつくる90分。

NEXT MATCH。
この言葉の重みを、
一番理解しているクラブが、
また静かに準備を終えようとしている。 December 12, 2025