11月の企業物価指数が公表されました。国内企業物価の前年比伸び率は横ばいで長い目で見て減速傾向にありましたが、少し下げ止まってきたように思います。

今月の注目点は輸入物価で、契約通貨ベースでは前月比マイナス、石油製品の価格低下が寄与しておりますが、一方で円ベースでは２ヶ月連続でプラスとなりました。つまり円安によって円ベースの輸入価格と契約通貨ベースの輸入価格で少し乖離が出た状況です。

石油製品の契約通貨建ての価格、すなわち原油価格が抑えられているため円建て輸入価格の前年比はまだマイナス圏ですが、今後再び注目されていくと見られます。

一方で輸出価格は円ベースでしっかり上昇しているため交易条件は悪化していないように見えます。ですので輸出企業の収益はオフセットされているように見えます。輸入企業や家計とは少し異なる状況の可能性があります。 December 12, 2025