てっさ
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2025.12.11 16:00
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新曲「ストレイ・シープ」
原作:夏目漱石 「三四郎」
作詞・作曲・動画:とおるほづみ
ボーカル: ミエノアヤト & SUROI
-----以下、原典を要約-----
三四郎 / 夏目漱石
九州の村から東京の大学へ向かう青年・小川三四郎《おがわ さんしろう》は、汽車の中でどこか影のある若い婦人と出会います。同じ宿に泊まった名古屋の夜、薄暗い風呂場でその婦人と一緒に湯へ入るように促され、三四郎は真っ赤になって逃げ出してしまいます。宿帳にはその婦人を「花《はな》」という名で勝手に書き込み、何もできなかった自分の小ささだけが胸に残ります。
東京に着いた三四郎の前には、壊しては建て、建てては壊す家々、ひっきりなしに走る電車と人の波が広がっています。世界そのものが壊れながら同時に作り替えられているような光景に、三四郎はただ立ち尽くすしかありません。今までの勉強では触れられなかった「現実」の大きさにおびえ、地方から突然、大都市の真ん中に放り込まれた新入生のように、心細さと期待がまざった気持ちになります。
下宿生活が始まると、冗談交じりに世の中を語る友人・佐々木与次郎《ささき よじろう》、冷静な目で社会を眺める広田《ひろた》先生、研究に人生を賭ける物理学者・野々宮《ののみや》らと出会います。講義に身が入らない三四郎は、ノートに「stray《ストレイ》 sheep《シープ》」と書き散らし、どこへ向かえばいいのか分からない自分を英語の落書きに重ねていきます。その迷いを、与次郎は笑いながらも鋭く言い当てます。
やがて三四郎は、里見家の令嬢・美禰子《みねこ》と出会います。庭園の池のほとりで、白い花を手にした美禰子の黒い瞳とふと目が合った瞬間、三四郎の口から思わず「矛盾だ」という言葉が漏れます。自由で聡明なのに、どこか危うい気配をまとった彼女は、三四郎の心を強く揺さぶります。石橋でよろめいた美禰子が三四郎の腕にそっと手を置き、「迷える子《ストレイ・シープ》」とささやく場面は、恋と不安が一度に押し寄せる映画のワンシーンのようです。
しかし三四郎には、気持ちを言葉にする勇気も、相手の人生に踏み込む決意もありません。原口《はらぐち》のアトリエでは、美禰子の兄の結婚話が進み、よし子の口からは、美禰子自身にもすでに縁談がまとまったことが語られます。 夏に熊本へ帰省した三四郎が戻ってくると、美禰子の結婚披露の招待状は、日付の過ぎたまま机の上に置かれていました。
病み上がりの日曜、三四郎は教会《チャーチ》の前で、美禰子が賛美歌《さんびか》を歌い終えて出てくるのを待ちます。寒空の下、鉄柵《てっさく》のそばを行ったり来たりしながら、懐には美禰子から借りたままの三十円が重く揺れています。やがて縞のコートを着て階段を降りてくる美禰子と再会し、三四郎はただ金を返すことしかできません。別れたあと、彼の頭の中には「迷羊《ストレイ・シープ》」という言葉だけがくり返し響きます。自分の人生を自分で決められないまま、変わり続ける東京の街に立ちすくむ青年の姿が、静かな余韻とともに物語を締めくくります。
#夏目漱石 #読書 #文学ポップ December 12, 2025
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