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2025.12.06 20:00
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[EUを正確に読み解く〜仏マクロン大統領「米国がウクライナを裏切る可能性」に言及]
現在のトランプ外交を、単純な「西側 vs 中露・BRICS」の構図で理解することは、もはやできません。
トランプにとって最大の優先事項は、中露との全面対立ではなく、EU内部のリベラル中枢――すなわちフランスのマクロン政権、ドイツのメルツ政権を政治的に弱体化させることにあります。
トランプは、米国とEUが従来と同じ「西側の結束」を維持することを、必ずしも望んでいません。
むしろ…
・マクロン政権を倒し、国民連合を中核とする政権を誕生させること
・メルツ政権を倒し、AfDを軸とする体制をドイツに出現させること
を通じて、EU全体をリベラリズムからナショナリズムへと転換させ、結果として「より米国に近いEU」へ作り替えることを戦略目標に置いています。
この戦略の中で、ウクライナは極めて冷徹に位置づけられています。
米国はウクライナ支援から意図的に距離を取り、そのコストと責任をフランスとドイツに押し付けることで…
・国内財政の悪化
・国民負担の増大
・政権への不満の蓄積
を同時進行で引き起こし、マクロンとメルツに対する間接的な政治圧力を強めているのです。
ここで極めて重要なのは、フォン・デア・ライエン欧州委員長の立場です。
彼女は表向きにはマクロンを支持する姿勢を取りながらも、実務レベルではすでに、
「米国に頼らず、EU単独でウクライナ支援を継続できる体制」の構築を急速に進めています。
これは、マクロン政権がいつ崩れてもEUが機能不全に陥らないための、明確な“事後対応型の準備”でもあります。
現在EU内部で進行しているのは、単なる政策対立ではありません。
ECB総裁ラガルド、マクロン、メルツを中心とする、移民推進・環境重視・ESG重視を軸とした従来型リベラル権力と、ナショナリズムを欧州に台頭させようとするトランプの戦略、そしてそれと現実的に歩調を合わせるフォン・デア・ライエンの新しい実務権力との間で、極めて激しい主導権争いがすでに始まっています。
西側の内部そのものが分裂し、再編されつつある局面に入ったと見るべきでしょう。
一方で、イタリアのメローニ、倭国の高市は…
・トランプとの同盟関係は重視する
・しかしウクライナ支援の旗は下ろさない
という、あえて曖昧さを残した「のらりくらり型の現実戦略」を選び、表立った対立には踏み込まず、静かに情勢を見極める立場に徹しています。
現在の本質的な対立構図は、次のように整理できます。
ラガルド、マクロン、メルツ、NATO
vs
トランプ、フォン・デア・ライエン、メローニ、高市
実際に起きているのは、「価値観の対立」ではなく、「権力構造の再編」そのものです。
この地殻変動は、ウクライナ戦争の帰趨以上に、欧州と西側世界の構造そのものを大きく書き換えつつあります。
https://t.co/XR8HDeMZLa December 12, 2025
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[リベラルvsリベラル〜血で血を洗うEUの権力闘争]
EUではいま、リベラル内部の亀裂が制度そのものを揺さぶる段階に達している。
軸となっているのは、欧州中央銀行(ECB)を率いるラガルドと、欧州委員会のトップであるフォン・デア・ライエンである。
両者は同じリベラル系統に属するが、依拠している基盤も優先順位も正反対で、EUの意思決定を根本から分断している。
ECBのラガルドは、移民推進、ESG、気候規制など欧州が20年以上積み上げてきた旧リベラル政策の維持に固執している。
これらは欧州金融と国際資本にとって都合の良い制度であり、ECB自身がその枠組みに組み込まれている。
だが、欧州社会の現実は明らかに変質した。治安悪化、移民摩擦、生活負担の増大──市民の不満は臨界点にあるにもかかわらず、ECBは一切方向転換しない。
ラガルドが民意と乖離した姿勢を保つ理由は、彼女が守っているのが「欧州市民」ではなく、「金融システムと国際投資家の利益」だからである。
欧州の旧メディアもESGと移民推進の正当化に深く関与してきたため、ラガルドの立場を補強する構造が残存している。
対照的に、フォン・デア・ライエンは危機の連続にさらされるEUを救うため、理念より実利を優先する現実路線へ大きく舵を切った。
ここには、彼女の明確な戦略がある。
第一に、脱中国依存を一気に進めたこと。
レアアースや戦略物資で中国依存を続けることは、EUの安全保障上のリスクと判断し、倭国が20年以上前から構築してきた「国家備蓄・多国間調達・供給分散」のモデルをそのまま採用した。
2027年以降の戦略物資調達で、中国を不可逆的に外す方向へ動き出したのは、EU史上初である。
第二に、安全保障の再定義で倭国を重視し始めたこと。
ロシアと中国の脅威が現実化する中で、欧州はもはやイデオロギー優先の政策運営を維持できない。特にトランプ政権との協調を必要とする局面では、アジアの安定の柱として倭国の存在を安全保障上欠かせないものとして扱い始めた。
EUが「倭国型」を採用するという事実そのものが、イデオロギーの時代が終わり、実利と安全保障の時代に入ったことを象徴している。
このようにフォン・デア・ライエンは、市民の不安、国際環境、安全保障の現実を踏まえて政策転換を進めている。
一方のラガルドは、もはや民意と逆方向へ突っ走り続ける“旧秩序の最後の守護者”になりつつあり、EU内部の摩擦を深めている。
その対立が象徴的に噴出したのが、EU外交の要職にいたステファノ・サンニーノ拘束である。
捜査対象は彼個人だが、政治責任は欧州委員会──つまりフォン・デア・ライエン──に向いた。EEASの強い統括権限を委員会が握っていたため、「管理不全」という批判が直接彼女に突き刺さった。
ラガルド側は表向き静観しつつ、委員会の求心力低下をむしろ好機としている。
ウクライナ支援でも両者の違いは鮮明だ。
フォン・デア・ライエンは安全保障を最優先し、凍結ロシア資産の活用にも踏み込む。一方ECBは、金融市場の動揺を理由に慎重姿勢を維持し、危機対応ではなく「制度維持」を優先している。
こうした一連の構図の中で、欧州は二つの権力中心に割れている。
一方には、危機に向き合い現実的な路線でEUを再生しようとするフォン・デア・ライエン、もう一方には、民意から乖離した旧来の金融秩序を死守しようとするラガルドとECB。
欧州の民意はすでに旧リベラル政策を見限り、安全保障・治安・経済安定へ大きく軸足を移している。
この変化に沿って動くのがフォン・デア・ライエンであり、潮流と真逆の方向を向きながら古い秩序の維持を続けるのがラガルドである。
EUの進路は、この対立がどこで決着するかによって大きく変わる。
理念の時代を終わらせるのか、それとも過去に固執して衰退へ進むのか。
EUはその岐路に立たされている。 December 12, 2025
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[オールドメディア、存在意義を賭けた最後の戦い]
オールドメディアがいま抱いている最大の危機感は、「リベラリズムという自分たちの価値体系が、世界規模で崩れつつある」という現実そのものです。
多文化主義や移民推進、気候正義・ESG、国際協調主義、そしてEU型統治モデルの称揚と「ナショナリズム=悪」という固定観念。
これらは過去20〜30年の間に欧米リベラル政党や国連、欧州委員会、各種財団やNGOとの強いネットワークの中で強化され、オールドメディアはその価値体系の一部として存在してきました。
しかし2025年、世界の民意は明確に反転し、反移民が多数派となり、ESGや気候利権は後退し、EUのリベラル政権は崩壊寸前に追い込まれ、米国ではリベラルメディアそのものが経営危機に陥っています。
この潮流を決定的に後押ししているのが、トランプ政権の復権と戦略的な発信であり、オールドメディアは「これは単なる政権交代ではなく、リベラルモデルそのものの終焉ではないか」という深い恐怖に包まれています。
その中でも特に“マクロン潰し”の流れは、メディアにとって象徴的な恐怖となっています。
マクロンは国際協調の代弁者であり、移民推進と気候政策の先導者で、EUの中心に位置し、文化的エリート主義を体現してきた人物です。
オールドメディアが理想とする「リベラル指導者」の象徴でした。そのマクロンが支持率11〜14%と急落し、内政で孤立し、EU内でも求心力を失い、さらにトランプ政権からの外圧が増している状況は、リベラルモデルそのものの破綻を象徴するため、メディアにとって極めて深刻な恐怖となっています。
オールドメディアの危機感は主に三つのかたちで表れています。
第一に、トランプ批判の強度が不自然なほど増していることです。
それは政策批判ではなく、人格攻撃や恐怖喚起、レッテル貼りに近い論調が目立ち、理性よりも「自分たちの価値体系が破壊される恐怖」によって反応しているように見えます。
第二に、EUリベラル勢力の擁護が不自然なほど増えていることです。
支持率が低迷するマクロンに対して「冷静な指導者」「国際協調の柱」といった称賛が続くのは、実態ではなく“失ってはならない象徴”として彼を扱っているためです。
第三に、欧州で民意が完全にナショナリズムへ傾いているにもかかわらず、依然として「極右」「排外主義」「民主主義の危機」というレッテルを貼り続けていることです。
これは世論とのズレを承知しながら、自分たちの世界観を守ろうとする最後の抵抗でもあります。
結論として、オールドメディアはトランプの世界戦略を“致命的な危機”として受け止めています。
それは単なる外交再構築ではなく、彼らが依存してきた国際秩序そのものを根底から変える動きであり、「リベラリズムを潰される」ではなく「自分たちが消える」という恐怖に直面しているからです。
欧州、米国、倭国を問わず、どのオールドメディアも論調が硬直化しているのは、まさにこの存在意義を賭けた最後の戦いの只中にあるためです。 December 12, 2025
[目覚めるEU〜捨てられる中国と西側再結束]
EUが倭国モデルを採用して「レアアース備蓄制度」を導入した事実は、欧州の政策優先順位が大きく転換したことを示しています。
背景には、エネルギー・戦略物資を特定国に依存する脆弱性が、ロシアによるウクライナ侵攻やサプライチェーン混乱によって構造的リスクとして可視化されたことがあります。
EUはすでに2027年からロシア産天然ガスの購入を停止する方針を決定しており、これはエネルギー分野での脱ロシア依存が正統なプロセスに入ったことを意味します。
同時に、米国からの安全保障上の要求も無視できない要素として作用しています。
ロシアおよび中国に対する依存は、同盟国との協調体制において戦略的弱点となり、NATO全体の防衛態勢にも影響を及ぼすため、EU側としても是正せざるを得ない状況が生まれています。
とりわけ中国に対する依存解消は、米国だけでなくEU内部でも産業基盤維持の観点から不可欠とされ、資源確保の枠組みを政治・経済双方で再設計する必要性が高まりました。
レアアース分野で倭国の制度が参照されたのは、危機発生時に備蓄と調達多角化を組み合わせる方式が、対中依存リスクを最小化する実証済みのモデルとして評価されたためです。
倭国は2010年以降、地政学リスクを前提とした供給安定化策を制度化してきました。
EUがこれを採用することは、理念よりも実効性を優先する政策判断が成立したことを示しています。
従来のEUは、多文化主義やESGを中心としたリベラル政策を重視し、経済と価値観を結びつける傾向が強くありました。
しかし、現在のEUでは、価値観より安全保障、理念より供給安定という優先順位が確立しつつあります。
ロシア産ガスの停止とレアアース備蓄制度は、その転換を象徴する二つの政策軸です。
さらに、倭国モデルの採用は、日EU間の信頼関係が安全保障・産業政策の領域にまで拡張していることも示しています。
EUが依存脱却の指針を求める際、倭国が長期的に構築してきた供給網の経験が参考対象として選ばれたことは、日欧間の協働の質的変化を意味します。
総じて、EUの今回の政策は…
① ロシア・中国依存の構造的リスク認識
② 米国との安全保障協調の強化
③ リベラル理念より実効性を重視する政策転換
④ 倭国の制度への政策的信頼
これら四つの要因が統合された結果として位置づけられます。
『EUが倭国モデルに「レアアース備蓄制度」発表、「中国依存からの脱却」へ欧州委が新計画』
https://t.co/ExdhxjJimM
👇倭国を重視、フォン・デア・ライエン欧州委員長が表明 December 12, 2025
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