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ガードレール
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2025.12.18 03:00
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ただのデータベース管理画面にお金を払う時代は終わりました
「データを変換するだけ」
「簡単なダッシュボードで一覧を見るだけ」
「ちょっとした通知を送るだけ」
この程度であれば、エンジニアがAIに指示すれば、金曜の午後の数時間で「自作」できてしまうようになりました。
では、これからSaaSは全滅し、すべてのシステムを自社で作る「大内製時代」が来るのか?
そうはならないと考えています。
ただ、「SaaSの選び方」と「使い方の戦略」は劇的に変わります。
1. 「コスト削減」だけを目的に内製はNG
多くの人が陥りやすい罠がこれです。
「AIで作れるならSaaSを解約しよう。浮いた金でエンジニアを雇えば、もっと安く済む」
この皮算用は、現場のリアリティを無視しています。
SaaSを解約して消えるのは「ライセンス料」だけ。
代わりに、自社で抱え込むことになる運用費が爆発的に増えるからです。
夜間の障害対応は誰がやるのか?
セキュリティパッチや脆弱性対応は?
APIの仕様変更への追従は?
特に、freeeやSmartHRのような「基幹・労務・税務」に関わるSaaSは、機能ももちろんですが
「法対応とセキュリティの責任をアウトソースできること」にも価値があります。
ここを内製に戻すのは、リスク管理の観点から自殺行為です。
2. 勝つのは「SaaSの土台 + 薄い内製」のハイブリッド
では、賢い企業はどう動くべきか。 答えは「SaaSとSaaSの隙間」をAIで埋める戦略。
・SaaSの土台
認証、決済、人事DB、会計など、「正しさ」と「信頼性」が求められる部分は、引き続きSaaSを利用する。
ただし、UIとしてではなく「信頼できるデータベース兼API基盤」として使う。
・薄い内製
その上の「自社独自の承認フロー」や「特殊な集計業務」、「痒いところに手が届かない連携」を
AIエージェントを使って低コストで内製する。
これが、これからの時代の最適解です。
「SaaSか、内製か」の0か1かではなく、「重い責任はSaaSに持たせ、その他の業務ロジックは自分たちで持つ」という棲み分けです。
3. この体制を作るためのロードマップ
この「薄い内製」を実現するためには、順番が重要です。いきなり「SaaS解約」から入ると事故ります。
・守りの型を作る
AIにどのデータ触らせて良いか
ログをどう残すか
誰が承認するか
まずこの「ガードレール」を設計する。
・隙間の「薄い内製」を実践する
業務のボトルネックになっている小さなタスクを、AIエージェントで解決してみる
・SaaSを戦略的に精査する
「薄い内製」で代替可能な周辺機能や、単なる閲覧用ユーザーライセンスなどを解約、削減する。
結論としては、本質的な価値(信頼、責任、ネットワーク効果)を持つSaaSは、AIエージェントが活躍するための「土台」として、より重要になっていきます。
これからの強い組織とは、何でもかんでもSaaSを買って済ませる組織でも、意地になってフルスクラッチで作る組織でもありません。
SaaSに乗りつつ、ラストワンマイルの自社独自の業務だけは、AIを使って自分たちの手で自在にデザインする。
そんな賢いハイブリッド戦略を取れる企業が、コストを下げつつ、変化に強い筋肉質な体制を手に入れることが出来ます。 December 12, 2025
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