ジェラルド トレンド
0post
2025.12.04 09:00
:0% :0% (-/女性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
aquapiyoさんより
### 予防的恩赦(Preemptive Pardon / Preventive Pardon)の詳細解説
予防的恩赦とは、**対象者がまだ起訴されておらず、有罪判決も出ていない段階で、将来起こりうる連邦犯罪の責任を事前に免除する恩赦**のことです。
通常の恩赦が「既に確定した罪」を赦すのに対し、予防的恩赦は「潜在的な罪」を対象にします。アメリカ憲法上は完全に合法ですが、歴史的に極めて稀で、毎回大論争を引き起こします。
#### 憲法上の根拠と有効性
- 憲法第2条第2節:大統領は「合衆国に対する犯罪」について恩赦権を持つ(叛逆罪を除く)。
- 最高裁判決(Ex parte Garland, 1866 / Schick v. Reed, 1974)で、**恩赦は起訴前でも有効**と明確に認められている。
- 一度発給されれば、対象者はその犯罪で**二度と起訴できなくなる**(二重処罰禁止の原則と恩赦の絶対性による)。
- ただし、**州犯罪・民事訴訟・議会弾劾**には効力がない。
#### 歴史上の主な予防的恩赦事例
1. ジミー・カーター(1977年)
ベトナム戦争脱走兵・徴兵逃れ者全員(約10万人)への一括予防的恩赦。
→ 最も規模が大きい事例。
2. ジェラルド・フォード(1974年9月8日)
リチャード・ニクソン元大統領に対し、
「1969年1月20日〜1974年8月9日の在任期間中に犯した可能性のあるすべての連邦犯罪」を対象とした完全予防的恩赦。
→ これが現代的な予防的恩赦の原型。フォードは「国家の癒しのため」と説明したが、世論は真っ二つに割れ、1976年大統領選敗北の大きな要因となった。
3. ジョー・バイデン(2024年〜2025年)
バイデン政権末期に実施された予防的恩赦は、**史上最も広範で政治的に攻撃的なもの**と評価されています。
主な対象と内容(2024年12月〜2025年1月)
- ハンター・バイデン(2024年12月1日)
最も有名な事例。
対象期間:**2014年1月1日〜2024年12月1日の11年間**
内容:銃器・税務犯罪に加え、「**その期間に犯した可能性のあるすべての連邦犯罪**」を包括的に免除(blanket pardon)。
バイデンは当初「絶対にしない」と公言していたが、トランプ再選後に方針転換。「政治的迫害から家族を守るため」と説明。
- バイデン家族全体(2025年1月19日〜20日)
James Biden(弟)、Francis Biden(弟)、Valerie Biden Owens(妹)とその配偶者ら。
同じく2014年〜2025年までの潜在的犯罪を対象。
- マーク・ミリー元統合参謀本部議長(2025年1月)
トランプが「反逆罪で処刑すべき」と名指しで脅迫していたため予防的恩赦。
- アンソニー・ファウチ博士(2025年1月)
COVID-19対応を巡りトランプ側から「犯罪者」と攻撃されていたため。
- 1月6日委員会メンバー・関係者全員(2025年1月)
Liz Cheney、Adam Kinzingerら共和党議員を含む委員会メンバー、スタッフ、証言したキャピトル警察官・DC警察官ら約100人以上。
トランプが「全員逮捕する」と公言していたための一括予防的恩赦。
これらはすべて「トランプ復帰後の報復政治から守るため」という明確な政治目的で発給され、民主党内でも「やりすぎ」「前例が悪すぎる」と批判が相次ぎました。
4. ドナルド・トランプの予防的恩赦(現状)
- 第一期(2017~2021)
トランプは家族(ドナルドJr.、イヴァンカ、エリック、ジャレッド・クシュナー)やルディ・ジュリアーニに対して予防的恩赦を**真剣に検討**したが、最終的には「罪を認めたように見える」として断念(本人の発言と側近証言による)。
→ 自分自身への自己恩赦も検討したが、法学者多数が「違憲の可能性が高い」と指摘したため見送り。👀
- 第二期(2025年〜現在)
2025年12月4日時点で、トランプは**まだ予防的恩赦を発給していない**と見られます。
ただし、側近の発言(スティーブ・バノン、キャッシュ・パテルら)では「必要なら自分や家族に自己恩赦・予防的恩赦をする準備はある」と公言しており、いつでも可能。
#### 予防的恩赦が引き起こす最大の問題点
1. 自己恩赦との境界が極めて近い(トランプがやれば憲法危機確実)。
2. **「罪を犯しても大丈夫」という悪しき前例**を作る。
3. **司法省の捜査そのものを無効化**してしまう(起訴できなくなる)。
4. 国民の法の前の平等意識を著しく損なう(特にハンター・バイデンの11年間完全免責は「王族特権」と猛批判された)。
結論:バイデンが2024~2025年にやった予防的恩赦は、フォード→ニクソンの事例をはるかに超える規模と政治性を持ち、**実質的に「アメリカ版免罪符革命」**と呼べるほどの歴史的転換点になりました。
そしてその火種をトランプ第二期がどう使うか──2025年12月現在、まだ静かですが、いつ爆発してもおかしくない状況です。 December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



