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2025.12.05 07:00
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AI投資の潮流は「計算」から「接続」へ、フェーズが移行した。Marvell Technologyの最新決算は、その転換点を示す証拠だ。
まだ「H100の確保数」だけで企業の価値を測っているなら、その視座は2023年で止まっている。今回のMarvellの数字とCelestial AI買収劇が示した、AIインフラ市場の新たな構造を解説する。
なぜ今、NVIDIAの隣にMarvellを並べるべきなのか。
現代のデータセンターは、もはやサーバーの集合体ではない。「センター全体で一つの巨大なコンピュータ」だ。
ジェンスン・フアンのこの定義は、物理的な制約を浮き彫りにした。数万個のGPUを並列稼働させるには、電気信号(銅線)では限界がある。発熱と減衰。これを突破する解が「光」だ。Marvellはこの光接続(インターコネクト)の心臓部を握っている。
Marvellを「地味な部品屋」と認識しているなら、アップデートが必要だ。
かつてのHDDコントローラ屋は死んだ。CEOマット・マーフィーの冷徹な「選択と集中」が、同社をインフラの設計者へと作り変えた。Inphi買収で高速データ伝送を手に入れ、今回のCelestial AI買収でアーキテクチャそのものを定義するプラットフォーマーへ。これは機能拡張ではなく、階層の昇格かもしれない。
数字は嘘をつかない。今回の決算(FY26 Q3)、見るべきは売上高ではない。「利益の質」の劇的な変化だ。
売上高:20.75億ドル(YoY +37%)
EPS:0.76ドル(YoY +77%)
売上の伸びに対し、利益の伸びが倍近い。これがオペレーティング・レバレッジの正体だ。高付加価値なAI製品の比率が高まり、ソフトウェア企業並みの粗利益率約60%を叩き出している。
事業ポートフォリオの鮮明なコントラスト。
データセンター部門が売上の73%を占め、YoY+38%で独走している。
中身は3本柱だ。
光インターコネクト(爆発的需要)
カスタムシリコン(Google/Amazon向け、端境期を超え受注済)
スイッチング(Broadcomの牙城への侵食)
足を引っ張っていたエンタープライズ部門も底打ちした今、業績は純粋に「AI市場の拡大係数」となる。
経営の規律も特筆に値する。
成長性の低い自動車用イーサネット事業をInfineonへ売却し、キャッシュを作る。その資金を即座に成長領域(Celestial AI)へ突っ込む。
バランスシートを毀損せず、借入金に依存しすぎないM&A。高金利下の財務戦略として極めて合理的だ。キャッシュフロー製造マシーンとしての機能も健全である。
CEOのガイダンスに見る「確信」の根拠。
「データセンター売上成長率は、来期+25%、再来年は+40%へ加速する」
大企業病とは無縁の加速予告。根拠は「希望」ではなく「受注残」だ。1.6T対応の光DSP、2nm世代のカスタムチップ。ハイパースケーラーのCapex増額分以上の成長を約束する製品群が、すでに出荷を待っている。
MarvellはAIインフラ第2フェーズの「隠れた役者」ではない。「必然」に生まれ変わろうとしている。
計算資源(GPU)の単価競争が激化する横で、それらを接続するインフラの独占性は高まる一方である。ボトルネックこそが、次のプロフィットプールになる。
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・Celestial AI買収 - 「光インターコネクト革命」
・スケールアップとスケールアウト
・Marvellの成長エンジン - 全方位戦略の死角なき布陣
・競合環境とリスク分析 December 12, 2025
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