日蓮図顕の文字曼荼羅～「我常に此の娑婆世界に在って説法教化する永遠の仏の姿」

日蓮が数多く顕した曼荼羅本尊の中でも特大なのが、静岡県沼津市の岡宮光長寺に所蔵される「弘安元年(1278)太才戊寅十一月廿一日」顕示、「優婆塞藤太夫日長」授与の曼荼羅(御本尊集57)です。寸法は「縦234.9㎝×横124.9㎝」もあり、大小の紙が28枚継ぎとされてきましたが、原井慈鳳氏の論考「二十八紙大漫荼羅に関する研究(一)」(桂林学叢　第27号　平成28年)では29枚継ぎであることが解明されていますので、現在では「二十九枚継曼荼羅」と呼ぶべきでしょうか。

「甲州南津留郡小立村妙法寺に護持せられたもので、同村の渡辺藤太夫に授与したまうところ」の曼荼羅にして、後に岡宮光長寺に納められたと伝承されていますが、大きな持仏堂を擁する在地の有力者が法華経を受持し、その邸宅が地域の弟子檀越等、大人数が集う法華伝道の道場となり、このような大型の曼荼羅が授与されたのでしょう。弘安年間に至る日蓮一門の教線拡大を示しているように思います。

また、弘安元年(1278)11月21日といえば、あの建治年間末(1276)から弘安初期(1278)にかけての大疫病が山を越えた頃でもあります。多くの人々が亡くなり、自らもいつ感染してしまうかもしれない恐怖と不安の日々。妙法を信受し、それらを乗り越えて生きていることを実感する人々の喜びはいかほどのものだったか。そのような一門のこころと祈りの結晶が、大きな曼荼羅として顕されたのではないでしょうか。

二十八(九)紙大漫荼羅の次に大きな曼荼羅は、静岡県三島市玉沢の妙法華寺に伝来する伝法御本尊(御本尊集101)です。「弘安三年(1280)太才庚辰十一月　日」の顕示、「釈子日昭伝之(しゃくし・にっしょう・でんし)」の授与書きがあり、寸法は「197.6×108.8㎝」で12枚継ぎ。

三番目が千葉県松戸市平賀の本土寺にある「二十枚継曼荼羅」(御本尊集18)で「189.4×112.1cm」の寸法、紙が20枚継がれています。顕示年月日は記されていませんが、文永11年(1274)5月24日の「法華取要抄」との関連から、文永11年頃に顕されたのではないかと推測されています。

素朴な疑問として、「日蓮はどのようにして、これら大きな紙に御本尊を顕したのだろうか?」というものがありますが、原井慈鳳氏は前出論考中で、『倭国には古来、大画面を描く絵師が絵画製作時に用いた裁物板にも似た「糊板(のりいた)」（乗板）と称する用具がある。これを応用すれば疑問は解けよう。筆者はその状態を図試してみた』として図面により、日蓮が曼荼羅を顕す様子を示されています。

「二十九枚継曼荼羅」を拝した人によると、あまりに大きすぎて本堂に奉掲しきれず、曼荼羅下部は巻いたままであったそうです。「伝法御本尊」と「二十枚継曼荼羅」は私も拝しましたが、その巨大さと筆勢に圧倒されるというか胸が熱くなる衝撃と共に、『日蓮が顕した曼荼羅は永遠の仏・久遠実成の釈尊が教導する姿そのものではないか』と、ひとり宗教的達観の世界に浸り、法悦に包まれたことが数年たった今でも実に鮮明です。

それは保田妙本寺に所蔵される「文永十一年太才甲戌十二月　日」顕示、万年救護本尊(御本尊集16)を拝した時も同じで、『妙法に照らされ、妙法に包まれた温かみを感ずる時』であったように思います。

法華経・見宝塔品第11から始まる虚空会の儀式に倣ったのが日蓮図顕の文字曼荼羅の相貌ですが、そもそも日蓮は何ゆえに、文字曼荼羅を図顕したのでしょうか?

ここで目を転じて、「平家物語」の「巻第十　熊野参詣」を確認してみましょう。

寿永3年(1184)2月、一ノ谷の戦い前後に逃亡した平維盛(たいらのこれもり・平清盛の嫡孫、平重盛の嫡男)は高野山で出家した後、熊野三山(くまのみやま)に参詣します。その模様が次のように描写されています。

維盛(これもり)一行は歩みを進めるうちに日数も重なり、岩田河へとさしかかった。
川の流れを見ていると、「この川の流れを一度でも渡る者は、悪業・煩悩、無始以来の罪障が消えるのであろう」と、頼もしく思われる。

一行は本宮に参詣し、証誠殿（しょうじょうでん）の御前で端座して長い読経を捧げ、お山の様を眺めていると、心にも言葉にも尽くせぬ有りがたいものに感じられた。神仏の衆生擁護の大慈悲は霞のように熊野山にたなびき、並ぶことなき霊験あらたかな神明は音無河の宮に垂迹されている。法華経を修行するこの地では神仏の感応は月の輝きのように遍く、六根より起こる罪を懺悔するこの庭では妄想が露ほども生じない。証誠殿で祈念をするうちに浄土への往生は確かなものとなり、どうして頼もしくないということがあろうか。

実に「古典文学の真髄を顕している名文」だと思いますが、熊野本宮の主神は家都美御子神(けつみこのかみ)で、その本地は阿弥陀如来。平維盛は証誠(阿弥陀如来の真実・誠であることを証明する)殿で、阿弥陀如来に祈願していたわけです。

このように平安から鎌倉時代にかけて、ある人は釈迦如来像、ある人は薬師如来像、ある人は大日如来像、そして千手観音像、如意輪観音像、弥勒菩薩像、阿弥陀如来像へと手を合わせる・・・
仏菩薩像が常識であった鎌倉時代の仏教界にあって、明恵や親鸞の名字本尊以来というべきか、日蓮は文字で書かれた曼荼羅を本尊としたのですから、まさに「本尊を文字で顕したことは仏教界の常識を打ち破る宗教的一大画期」ではなかったでしょうか。

さて、日蓮が文字曼荼羅を図顕した動機ですが、「法華勧奨・妙法弘通のかたちとして」「一切衆生皆成仏の大願を曼荼羅に込めた」等色々と思い浮かびますが、日蓮は永遠の仏にして根本仏たる久遠実成の釈尊を尊信して弟子檀越を教導した「久遠仏直参信仰の導師・日蓮」ですから、日蓮が曼荼羅を顕したのは、末法の世における『我も亦為れ世の父　諸の苦患を救う者なり』(法華経如来寿量品第十六)の当体として曼荼羅を顕した。また、曼荼羅は『我常に此の娑婆世界に在って説法教化する永遠の仏の姿を示すもの』ではなかったか、と考えるのです。

写真左は伝法御本尊の授与書き「釈子日昭伝之_______」
右は熊野三山の那智大社 December 12, 2025

@Mayu_0chan @Minifig_World 大阪でオフ会されてたんですね！

昨日はお休みでみねりんと
高野山に行ってました🏔️

知ってたらお会いしたかったです💕 December 12, 2025

本日の近畿イベント情報
[1]
タイトル: 大阪光の饗宴2025
県・市町村: 大阪府大阪市
会場/エリア: 御堂筋、中之島公園周辺
時間帯: 17:00-22:00
内容: 冬の大阪を彩る壮大なイルミネーションイベント。光のトンネルやプロジェクションマッピングが街全体を幻想的な世界に変えます。家族連れやカップルにおすすめのロマンチックな夜景です。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[2]
タイトル: ドイツ・クリスマスマーケット大阪2025
県・市町村: 大阪府大阪市
会場/エリア: 新梅田シティ・ワンダースクエア
時間帯: 11:00-21:00
内容: 本場ドイツのクリスマスマーケットを再現。ホットワインやソーセージ、クリスマス雑貨が並び、メリーゴーランドも楽しめます。異国情緒あふれる雰囲気でクリスマスの準備を。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 食

[3]
タイトル: ユニバーサル・スタジオ・ジャパン ウィンター・ワンダーランド
県・市町村: 大阪府大阪市
会場/エリア: ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
時間帯: 09:00-21:00 (要確認)
内容: 期間限定のクリスマスショーやアトラクションが楽しめるイベント。パーク全体が冬の装飾で彩られ、特別な思い出作りができます。家族や友人と一日中満喫しましょう。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 体験

[4]
タイトル: 京都嵐山花灯路2025
県・市町村: 京都府京都市
会場/エリア: 嵐山・嵯峨野一帯
時間帯: 17:00-20:30
内容: 嵐山の竹林や渡月橋周辺が、約2500基の行灯で幻想的にライトアップされます。倭国の伝統美と冬の風情が融合した、息をのむような美しい夜景を散策できます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[5]
タイトル: 清水寺 夜の特別拝観
県・市町村: 京都府京都市
会場/エリア: 清水寺
時間帯: 18:00-21:00 (要確認)
内容: 世界遺産・清水寺が夜間に特別公開され、本堂や三重塔がライトアップされます。夜空に浮かぶような幻想的な姿は、昼間とは異なる厳かな美しさがあります。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[6]
タイトル: 京都国立博物館 特別展「京の仏像」
県・市町村: 京都府京都市
会場/エリア: 京都国立博物館
時間帯: 09:30-17:00 (入館は16:30まで)
内容: 京都に伝わる貴重な仏像の数々を一堂に展示。平安時代から鎌倉時代の傑作を中心に、倭国の仏教美術の奥深さに触れることができます。歴史愛好家におすすめ。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[7]
タイトル: 神戸ルミナリエ2025
県・市町村: 兵庫県神戸市
会場/エリア: 旧外国人居留地、東遊園地
時間帯: 17:00-21:30 (要確認)
内容: 阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂と街の復興を願う光の祭典。荘厳な光の回廊やドームが神戸の夜空を彩り、訪れる人々に感動と希望を与えます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 祭り

[8]
タイトル: 姫路城 冬のライトアップ
県・市町村: 兵庫県姫路市
会場/エリア: 姫路城三の丸広場
時間帯: 18:00-21:00
内容: 白鷺城の愛称で親しまれる姫路城が、冬の夜空に美しく浮かび上がります。世界遺産の壮麗な姿が、光によって一層際立ち、幻想的な雰囲気を醸し出します。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[9]
タイトル: 有馬温泉 湯けむり横丁 冬の味覚市
県・市町村: 兵庫県神戸市
会場/エリア: 有馬温泉街
時間帯: 10:00-17:00
内容: 倭国三古泉の一つ、有馬温泉で開かれる冬の味覚市。地元の特産品や温かい温泉まんじゅう、猪鍋など、この時期ならではのグルメが楽しめます。温泉巡りの合間にぜひ。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 食

[10]
タイトル: 奈良公園 冬の鹿寄せ
県・市町村: 奈良県奈良市
会場/エリア: 奈良公園 飛火野
時間帯: 10:00-10:30
内容: ホルンの音色に誘われて、たくさんの鹿が飛火野に集まってくる冬の風物詩。自然の中で暮らす鹿たちの愛らしい姿を間近で見ることができます。予約不要で観覧可能。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 体験

[11]
タイトル: 東大寺 大仏殿 冬の特別公開
県・市町村: 奈良県奈良市
会場/エリア: 東大寺 大仏殿
時間帯: 08:00-17:00
内容: 世界最大級の木造建築である東大寺大仏殿で、通常非公開のエリアが特別に公開される可能性があります。大仏様の荘厳な姿をより深く拝観できる貴重な機会です。要確認。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[12]
タイトル: ならまち 冬の手仕事市
県・市町村: 奈良県奈良市
会場/エリア: ならまちセンター
時間帯: 10:00-16:00
内容: ならまちの歴史ある街並みで開催される、手作りの品々が集まるマーケット。温かみのある雑貨やアクセサリー、地元の工芸品など、一点物の素敵な出会いがあります。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 体験

[13]
タイトル: びわ湖バレイ スキー場オープンイベント
県・市町村: 滋賀県大津市
会場/エリア: びわ湖バレイ
時間帯: 09:00-16:30 (要確認)
内容: 琵琶湖を見下ろす絶景のスキー場が、今シーズンもいよいよオープン。初滑りを楽しむスキーヤーやスノーボーダーで賑わいます。雪質や積雪状況は事前に確認を。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: スポーツ

[14]
タイトル: 彦根城 冬の光の祭典
県・市町村: 滋賀県彦根市
会場/エリア: 彦根城周辺
時間帯: 17:30-21:00
内容: 国宝・彦根城が、冬の夜空に美しくライトアップされます。お堀の水面に映る幻想的な姿は、訪れる人々を魅了します。彦根の歴史と冬の美しさを同時に楽しめます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[15]
タイトル: 黒壁スクエア ガラス工芸体験
県・市町村: 滋賀県長浜市
会場/エリア: 黒壁ガラス館
時間帯: 10:00-16:00 (最終受付)
内容: 歴史的な街並みが残る黒壁スクエアで、オリジナルのガラス作品を作る体験。吹きガラスやサンドブラストなど、様々な技法で世界に一つだけの思い出の品を作れます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 体験

[16]
タイトル: 白浜イルミネーション「フェスタ・ルーチェ」
県・市町村: 和歌山県白浜町
会場/エリア: 白浜エネルギーランド周辺
時間帯: 17:00-21:00 (最終入場20:30)
内容: 光の遊園地をテーマにした、南紀白浜の冬を彩るイルミネーション。ヨーロッパの街並みをイメージした空間で、ロマンチックな光の演出を楽しめます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[17]
タイトル: 高野山 冬の特別拝観
県・市町村: 和歌山県高野町
会場/エリア: 高野山内各寺院 (要確認)
時間帯: 09:00-16:00
内容: 厳かな雰囲気漂う高野山で、通常非公開の寺院や宝物が特別に公開される可能性があります。雪化粧した高野山の神秘的な冬景色とともに、静寂な時間を過ごせます。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[18]
タイトル: なばなの里 イルミネーション
県・市町村: 三重県桑名市
会場/エリア: なばなの里
時間帯: 09:00-21:00 (ライトアップは日没後)
内容: 国内最大級のスケールを誇るイルミネーション。光のトンネルやテーマエリアなど、圧倒的な光の演出が訪れる人々を魅了します。冬のデートスポットとしても人気。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 展示

[19]
タイトル: 伊勢神宮 朔日参り (特別企画)
県・市町村: 三重県伊勢市
会場/エリア: 伊勢神宮 外宮・内宮
時間帯: 終日 (早朝参拝推奨)
内容: 毎月1日に行われる朔日参り。この日は、特別な朝市や限定品が提供されることがあります。清々しい空気の中、倭国の伝統文化と神聖な雰囲気を体験できます。要確認。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: 祭り

[20]
タイトル: 鈴鹿サーキット モータースポーツファン感謝デー (冬期特別版)
県・市町村: 三重県鈴鹿市
会場/エリア: 鈴鹿サーキット
時間帯: 09:00-17:00
内容: レーシングカーのデモンストレーション走行や、ドライバーとの交流イベントが開催される特別企画。冬でもモータースポーツの熱気を体感できる一日です。要確認。（要確認の場合は現地案内を確認のこと）
カテゴリ: スポーツ

詳細は実際のHPでご確認ください

#近畿イベント #今日のイベント #地域イベント December 12, 2025

20251201JAPAN IDOL SUPER LIVE 2025

ちょっと久々になってもーたね！
まさかのスピ活話しを展開してしまった笑
行けそうなところで吉野を紹介したけど、更に独特の雰囲気を感じるなら高野山なんかも空気感違って非日常を味わえると思うんでぜひ行動してみてな！笑 https://t.co/My1vIxNetS December 12, 2025