離婚届 トレンド
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2025.11.30 17:00
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💥衝撃の実話💥
「誰の金で飯食ってるんだ」
この一言が、妻の愛情を殺意に変えた💔
定年退職の日、
夫が受け取ったのは花束💐ではなく「離婚届」だった⚡️
明日は我が身かも。夫婦の崩壊と再生の物語。
回避するたった一つの『魔法の言葉』とは…?🤫
⏰今夜20時公開!
#熟年離婚 https://t.co/V32FswiHSw November 11, 2025
XnoveL(小説)
#ラブメロ♪旋律のない恋の唄
【桐生陽菜の恋の唄】
[第6話│少し困ったような微笑み]
優真が交通事故で緊急搬送されてから3日。
意識が戻らない彼を陽菜は毎日、部活の帰りに訪れ、優真の父親がいればその車で、その父親が仕事で来られない日は自分の父親に迎えに来てもらう。
陽菜
(このまま、目を覚まさないなんて……ないよね?ゆうくん……)
毎日、そう胸の中で語りかけ、毎日、床に膝をついて泣き続けた。
それでも陽菜は部活を休みはしなかった。
もし自分が部活を休んだら、優真が自分のせいでと思うかもしれないと考えたからだ。
そして日付が変わり、早朝四時。
桐生家の電話がけたたましくベルを鳴らした。
「はい、きりゅう青果です」
電話に出たのは仕事で早くから起きていた陽菜の父親。
電話口の声に彼は「ありがとうございます!伝えておきます!」と早口で受話器を置くと階段を駆け上がった。
ドンドンドン!!
「陽菜!起きろ!陽菜!」
まだ夢の中にいた陽菜は、激しいノックと父親の声に叩き起こされる。
「優真君が!優真君が!目を覚ましたみたいだぞ!!」
───
きりゅう青果と書かれた軽トラが走り、病院に着くと陽菜は全速力で走りだす。
走る。
走る。
走る。
陽菜
「ゆうくん!!」
肩で優真の病室に飛び込むと、そこには優真の父親の姿もあった。
「陽菜ちゃん、あの……」
父親は何かを言おうとしたが、陽菜の耳には入っていない。
陽菜
「ゆう、くん」
まっすぐベッドに向かい、そこに横たわる彼の顔を覗き込む。
瞼が、開いてる。
目を開けている。
人工呼吸器は先日から外されているから、寝起きのような彼がいる。
それを見て彼女の瞳がゆらゆら揺らぎ、ぽろぽろと涙が溢れ出す。
陽菜
「……良かった……ゆうくん……ほんとに、良かった……」
そっと手に触れ、彼女は唇を震わせた。
優真
「…………」
そんな彼女を、少し顔を横にしてみつめる優真。その唇が微かに動く。
陽菜
「ん?……ゆうくん……なぁに?……」
小さな声を聞き逃さないようにと彼女は耳を傾ける。
その耳に、彼は少し掠れた声でこう話しかけてきた。
優真
「……きみはだれ?……」
──────
病室の空気が、音を立てて凍りついた。陽菜の指が、優真の手の上でぴくりと震える。「……え?」掠れた声が、喉の奥から零れた。優真は、まだ焦点の定まらない瞳で、
天井から少しだけ視線を下げ、
陽菜の顔をまじまじと見つめた。「……きみはだれ?」繰り返す言葉は、静かで、
まるで初めて出会った他人に対するような、
少し困ったような微笑みを浮かべている。陽菜の瞳が、大きく見開かれる。涙が頬を伝い、ぽたぽたと優真のシーツに落ちる。「ゆう……くん?」声が震えて、裏返る。「私……陽菜だよ? 桐生陽菜……
幼なじみで……彼女だよ?」必死に笑おうとする。
でも唇が震えて、笑顔にならない。優真は首をわずかに傾け、
本当に不思議そうに眉を寄せた。「……よう……な?」名前を、まるで初めて口にするように、
ゆっくりと、確かめるように呟く。そして、また小さく微笑んだ。「……ごめん、思い出せなくて」その一言で、
陽菜の中で何かが、音を立てて崩れ落ちた。膝が崩れ、
ベッドの縁にしがみつくようにして、
陽菜はただ、ただ、泣いた。「……うそ……だろ……?
ゆうくん……私、忘れちゃったの……?
私たちのこと……全部……?」嗚咽が止まらない。優真は、困惑したような、
でもどこか優しい目で、
泣きじゃくる陽菜を見つめていた。「……泣かないで」掠れた声で、
ゆっくりと、右手を伸ばす。陽菜の頭に、ぎこちなく触れた。「……なんか、すごく……大事な人だって、わかるんだ」その言葉に、
陽菜は顔を上げた。涙でぐしゃぐしゃの顔で、
優真を見上げる。「……ほんと……?」優真は、小さく、でも確かに頷いた。「だから……泣かないで。
……陽菜、だよね?」陽菜は、
優真の手を両手で包み、
ぎゅっと、自分の頬に押し当てた。温かい。「……うん。陽菜だよ。
ずっと、ゆうくんの……陽菜だよ」涙が止まらない。でも今度は、
少しだけ違う種類の涙だった。優真は、記憶を失くしても、
陽菜のことを「大事な人」だと感じている。それだけで、
陽菜の胸に、小さな、でも確かな光が灯った。――また、ゼロから始めよう。ゆうくんが私を忘れても、
私が、全部思い出させてあげる。陽菜は涙を拭い、
優真の手に、自分の指をそっと絡めた。「……これから、よろしくね?
ゆうくん」優真は、少し困ったような、
でも優しい微笑みを浮かべて、「……うん。よろしく」そう答えた。病室の窓から、
やわらかな朝陽が差し込んで、
二人の絡めた指を、そっと照らした。
──────
二人が病院から出た後、白い天井を眺めながら優真は「はるな」を口の中で繰り返した。
しかし、何も思い出せない。
思い出せないけど、なんとなく唇が、その名前を覚えているような気がした。それから彼は傷の治療のためにしばらく入院生活を強いられた。そんな日々の中、夕方となれば毎日見舞いに訪れる陽菜の話を聞くのが日課に。
そして今の彼の楽しみとなっていった。
──────
退院許可が出るまでの二週間。優真は白い天井を見上げながら、
口の中で何度もその名前を転がした。「はるな……はるな……」舌の上で、ふしぎなほど自然に響く。
まるで昔から何度も呼び慣らしてきた言葉のように。でも、記憶は真っ白だ。事故以前の自分、幼なじみと呼ばれた日々、
手を繋いで歩いた朝、頬に残る小さなキスの感触、
全部が深い霧の向こうに沈んでいる。それでも、「はるな」と呟くたびに、
胸の奥のどこかが、ほんの少しだけ疼くような気がした。まるで、身体だけが覚えている、
という不思議な感覚。午後四時半。
病室のカーテンが風に揺れる頃、
ノックの音がして、ドアが静かに開く。「おじゃましまーす」陽菜(はるな)は、いつもより少し大きめの紙袋を抱えて、
恥ずかしそうに顔を覗かせた。「今日はね、母さんが作ってくれたおにぎりと、ゆうくんの好きなツナマヨ」ベッドサイドのテーブルに並べながら、
はるなはいつものように隣のパイプ椅子に腰掛ける。優真は上半身を起こし、
枕に背中を預けたまま、そっと彼女を見つめた。「……いつも、ありがとう」はるなは一瞬頬を染め、すぐに首を振る。「ううん、私が来たいだけだから」そして、今日も小さな昔語りが始まる。「ゆうくん、小学校のとき、私のポニーテール引っ張って怒られたことあったよね」
「中学のときは、私が胸大きくなって恥ずかしくて距離置いたのに、ゆうくん気づかなくて……」
「初めて付き合った日、ゆうくん顔真っ赤にして『なってくれないか?』って……」はるなは恥ずかしそうに笑いながら、
優真はそれを、ただ静かに聞いている。思い出せない。
でも、聞いているだけで、
胸の奥がじんわりと温かくなる。「……ごめん、思い出せなくて」何度目かの謝罪に、
はるなは首を横に振って、
優真の手をそっと握った。「いいよ。
私が全部、思い出させてあげるから」その手は、小さくて、
でも確かな温度を持っていた。夕陽が病室をオレンジに染める頃、
はるなはいつも最後に同じことを言う。「明日も来るね」優真は頷き、
そして小さく、でも確かに返す。「……待ってる」はるなが帰ったあと、
優真はまた天井を見上げて、
口の中でそっと繰り返した。「はるな」唇が、
身体が、
心のどこかが、
その名前を、確かに覚えていた。――思い出せないけれど、
忘れてもいない。そんな、不思議な確信だけが、
静かに胸に灯り続けていた。
──────
桐生さんの娘さん、陽菜ちゃんが、毎日息子のために見舞いに来てくれる。
優真の父親───高瀬透真はそれに助けられ、同時に自分の無力さを募らせていた。工場での仕事。
家族を養うためにと働き続けてきた。
しかし、そんな不器用な男の気持ちが伝わらなかったのか、妻、優真の母親は若い男を作った。
けれどもそれは自分に甲斐性がなかったからだと、自分のせいだと、憤慨もせずに離婚届に判を押した。無力だ。
今回の事故で、息子の記憶が戻らないことで、ただただ打ちのめされた。優真に語りかける昔語りがない。
一緒に遊んだねと話せる思い出がない。
優真の好物も、好きな音楽も、将来の夢も、知らない、分からない。だから病室で一生懸命に語りかけてくれる陽菜が、とても力強く見えて、同時に少し羨ましくなった。休日。
彼の姿は“きりゅう青果”の前にあった。
──────
十一月の休日、朝八時。
「きりゅう青果」のシャッターが半分開き、
陽菜の父さんがキャベツを並べているところだった。そこに、作業着の上に古びたジャンパーを羽織った男が、
ぎこちなく立っていた。高瀬透真、優真の父親だった。「おはようございます……」低い、掠れた声。陽菜の父さんは顔を上げて、少し驚いたように目を見開く。「あ、ああ……高瀬さん?」母さんも店の中から出てきて、二人並んで頭を下げる。「突然すみません……
今日は休みを取って、ちょっと……お礼を言いたくて」透真は、両手を前に組み、深く頭を下げた。「息子が……優真が、お世話になってます。
毎日、陽菜ちゃんが来てくれて……
あの子が笑えるのは、陽菜ちゃんのおかげです」陽菜の父さんは、少し困ったように笑って、
母さんは目を潤ませながら「そんな……」と首を振る。透真は顔を上げられずに、
言葉を絞り出すように続けた。「俺は……ろくな父親じゃなくて。
離婚してから、仕事ばかりで……
優真の好きなものも、思い出も、ろくに作ってやれなかった。
あの子が小さい頃、公園に連れてったことも、
誕生日を一緒に祝ったことも……ほとんどない」声が震える。「それが今、記憶まで失くして……
俺には、何も語れることがない。
一緒に遊んだ話も、飯を食った話も……
何も、残せてなかった」透真は、初めて顔を上げた。目が赤い。「でも陽菜ちゃんは……
毎日、毎日、優真に昔話を聞かせてくれてる。
笑ってくれてる。
あの子が、また笑えるようになったのは……
全部、陽菜ちゃんと、こちらのご家族のおかげです」母さんが、そっと涙を拭った。「本当に……ありがとうございます。
俺みたいな、ダメな親の代わりに……
優真を、家族みたいに思ってくれて」透真は、もう一度、深く、深く頭を下げた。陽菜の父さんが、静かに近づいて、
透真の肩に手を置いた。「……高瀬さん。
優真くんは、立派な息子さんですよ。
うちの陽菜が、あんなに一生懸命になれる相手なんだから」母さんも笑って、涙をこぼしながら続ける。「これからも、家族みたいに思っててください。
優真くんは、うちの息子みたいなもんですから」透真は、言葉を失い、
ただ、何度も何度も頭を下げた。シャッターの向こうから、
朝の陽射しが優しく差し込んで、
四人の影を、ひとつに重ねた。――記憶は失われても、
愛は、ちゃんと残っていた。優真が目を覚ました日から、
新しい家族の形が、
静かに、でも確かに、
始まっていた。
[ 第6話│少し困ったような微笑み]終 November 11, 2025
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