賠償金 トレンド
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2025.12.13 02:00
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ヘイトの時代を越えてゆく私たちの態度
チョ・ハナ
https://t.co/fhRvl2vXNG
10年前、私の机の上には、よく素朴な封筒がぽんと置かれていた。
スマートフォンが世界を飲み込む直前、軍隊という断絶された空間から飛んできたものだった。
男性誌のエディターとして働いていた当時、兵役中の読者たちは、わら半紙の上にモナミのボールペンで、ぎゅっと押しつけるように気持ちを書きつづって送ってきた。
「記事をおもしろく読みました」「あのコラムに慰められました」。
丁寧にしたためられた手書きの文字、裏面が盛り上がるほど強く押しつけて書かれたその跡には、「時間」が宿っていた。
誰かの文章を読み、考え、ペンを取り、切手を貼るまでの長い呼吸。
それは、私と読者のあいだを流れる、言葉少なな尊重であり、人間的なつながりだった。
10年が過ぎ、世界は変わった。
つながりはもっと速くなったが、逆説的に断たれてしまった。
少し前、私はミン・ヒジン代表とHYBEの騒動を扱い、メディアの偏向性を批判する文章を書いた。
自分の良心が命じた、ごく当たり前の批判だった。
しかし、その代償は苛烈だった。
男性ユーザー中心のコミュニティ「エフエムコリア(ペムコ)」では、私の文章は読むべきテキストではなく、叩き潰すべき「座標」になった。
論理は姿を消し、あざけりとヘイト、さらには殺害予告メールにまで至った。
その底には「部族主義」が潜んでいる。
今の一部男性コミュニティは、「自分が支持する大企業」あるいは「男らしさ」と自分自身を同一視している。
彼らは、自分が消費している権力を、まるで自分自身の権威であるかのように錯覚する。
だからこそ、サムスンやHYBEのような巨大な権力、あるいは彼らが定義した男性性への批判は、そのまま自我への攻撃へとすり替えられる。
彼らは議論しない。
あえて「俺たちの側」を触ったという、それだけの理由で標的のリンクを貼り、群れをなして押し寄せ、リンチを加える。
あらゆるイシューを、スポーツか戦争であるかのように扱う。
他人を屈服させ、メンタルを崩壊させていく過程の中で、彼らは「俺たちは敵を打ち倒した」という、ねじれた効能感と所属感を確かめるのだ。
だが、その「部族」の正体が、どれほど脆く卑怯なものか。
我慢も限界に達し、私は昨日、侮辱罪・名誉毀損・虚偽事実の流布などで告訴を進めるという文章をアップした。
専門の弁護士との相談も終えた。
すると一晩のうちに、嘘のようなことが起きた。
殺気立っていた勢いは跡形もなく消え、メールで「故意ではなかった」「誤解だった」と長々とした弁明文を送りつけてくる人々が現れたのだ。
その弁明文は、脅迫文よりも衝撃的だった。
彼らの最大の問題は、自分たちのヘイトや嘲笑が「合理的な正義」だという錯覚に陥っている点である。
自分が正しいという狂気に取りつかれ、他人を苦しめる行為を「犯罪」ではなく「正義の実現」だと信じ込んでいたのだ。
そして、法の刃が目の前に迫ってきてはじめて、卑怯な言い訳を並べ始めるのである。
私は彼らの親のことを考える。
おおむね40〜50代であろうその親たちは、広場では民主主義と正義を叫びながら、実際の家庭では子どもを入試競争の最前線へと追い立ててきたのかもしれない。
あるいは、スマートフォンという「デジタル乳母」に子どもの魂を放任してきたのかもしれない。
怪物は空から降ってきたりはしない。
私たちの社会の矛盾と、家庭の無関心が、彼らを育ててしまったのだ。
しかし、崩れた家庭教育だけを拠りどころにして済ませることはできない。
幸いにも、社会は遅ればせながらムチを手に取る準備をしている。
昨日、国会の科学技術情報放送通信委員会(科放委)で、「懲罰的損害賠償法」がついに通過した。
虚偽・捏造情報を故意または重過失によって流布し、他人に損害を与えた場合、その損害額の「最大5倍」まで賠償責任を負わせる法案だ。
この法律は、報道機関だけでなく、YouTuber、SNS、そして彼らが棲みつくコミュニティまでをも包括する。
年末までに本会議での議決をめざしているという。
匿名の陰に身を隠し、他人の魂を切り刻みながら、わずかな賠償金だけで加害者をほっとさせてきた「コスパのいいヘイト」の時代には、もう終止符を打たねばならない。
この暗澹たるヘイトと野蛮の対極には、驚くほどまばゆい「愛」が育っている。
私は「ソテジと子どもたち」から始まるアイドル1世代をくぐり抜けてきた世代だ。
自分でファンダム活動をしたことはないが、社会が彼女たちを「빠순이(女オタ)」と蔑んでいた時でさえ、私は「誰かを大切に思う気持ち」が集まったファンダムに対して畏敬の念を抱いていた。
その気持ちは無駄にはならなかった。
「ソテジと子どもたち」の『教室イデア』を聴いていた私の友人は、今では激しい市民団体の活動家になったし、H.O.T.を愛していたメギ・ガンは『ケデホン』を作り出した。
愛は彼らを成長させたのだ。
その成長は、今もなお現在進行形で続いている。
12・3内乱事態のとき、広場には、自分の好きなアイドルのペンライトを手にした少女たちがいた。
「愛する○○、民主主義の世界で生きられるようにしてあげるね」と書かれたプラカードを掲げた少女たちのまなざしを、私は心から敬意をもって見つめた。
誰かを愛する気持ちが、個人の領域を越え、民主主義という巨大なパブリックなテーマを守る盾になったのだ。
ヘイトが座標を打つとき、愛は夢を見る。
ある大学生の友人は、私にそっと打ち明けてくれた。
今回のNewJeans騒動を経験し、韓国社会の不条理と、既得権層の険悪さ、その厚かましさを骨身にしみて目撃したのだと。
だから自分は心に誓ったのだと。
理不尽な被害を受ける人たちを守る「人権弁護士」になる決心をしたのだと。
胸が詰まった。
ありがたくて、恥ずかしくて、申し訳なくて、そして誇らしかった。
既得権に自我を預け、ヘイトを垂れ流し、いざ告訴状を突きつけられるとガタガタ震える者がいる一方で、不条理に立ち向かい、よりよい世界を夢見る者たちもいる。
前者があからさまな退行だとすれば、後者は偉大な前進だ。
少女たちがこれからも夢を見続けてくれることを願う。
そのひたむきな心が集まり、この世界をほんの少しずつでも変えていってくれることを願う。
ヘイトの拡声器がどれほど騒がしくても、結局、歴史を押し動かす力は愛から生まれる。
10年前、ぎゅっと書きつけられた手紙の思いは消えたのではなく、今はペンライトを掲げて世界を変える松明へと進化しているのだ。
私たちは今日も、互いを抱きしめ合いながら、そうして少しずつ成長していく。
だから私は、書くことをやめない。 December 12, 2025
@gekibnews 母親が前科持ちになるかな。
民事で賠償金請求されたらとんでもない事になりそう。
何でもかんでも押してみたいに対して、教育を出来てないってところで子供も問題ありの部分はあるけど、そこもまた親に責任が行く話だし(^^;ナーム- December 12, 2025
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