警察学校 トレンド
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2025.11.30 16:00
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【河童、「死体持ち」の称号を授かってしまう④】
(長いので「さらに表示」を)#河童の警察体験記
「今日は厄日か」
荒木部長が、眉間を指で揉み解しながらそうこぼす。
屋敷の中から見つかった遺体は三つ。
病死と思われる七十二歳の女性。
彼女が介護していたという認知症の母。
ずっと前から寝たきり状態だったという父……。
その全員が既に息を引き取っていた。
「……餓死でしょうか」
小声で河童は訊ねる。
だが部長は首を横に振った。
視線の先には空の水差しが転がっている。
「いいや、奥さんの風邪がうつってたんだろう。もしくは極度の脱水症状……その辺は解剖してみなきゃわからんがな」
重度の認知症だったという老婆は、寝たきり状態の夫の介護を、最後まで全うしようとしていたらしい。
夫の遺体の上に、覆いかぶさるようにして一緒に倒れているからだ。 生前はきっと、仲の良い老夫婦だったのだと思う。
物思いに耽りながら一つの家族の終焉を眺めていると、遠くからサイレンが近づいてくるのがわかった。
音色からして救急車のものだ。発見者の男性が通報していたに違いない。
「なあ実習生。おまえ、『死体持ち』だろう」
「え!? いや、違うと思いますけど……」
警察組織には何人か、そういった「特殊能力持ち」がいるという話は聞いていた。
身近なところでは、地域一課長が「事件持ち」と呼ばれているらしい。
実際、地域一課の当直中には重大事件の発生率が異様に高く、課員が「外れを引いた」と時折ボヤいているのを耳にしている。
「正直に答えろ」
ただでさえ強面の荒木部長が、ぐっと河童に向けて凄んできた。
「警察学校を出てから今まで、何件くらい変死事案の現場に立ち会った? 包み隠さず言え」
「ええと……。その、十件くらいですかね」
「ほら見ろ! 半年足らずで十件だぁ? やっぱ異常に多いじゃねえか! 知ってたら指導部長なんて断ったのに……課長のやつめ!」
「いやいや、その言い方だとまるで、僕のせいで人が死んでいるような」
「まるでじゃねぇよ! 完全に人災なんだよ! おまえの他にもそういうやつを知ってんだ俺は! あーやだやだ。いいか、明日は解剖だからな。おまえ一人で行けよ。俺は立ち会わねぇからな」
「……わかりました」
河童は釈然としていない。自分のせいではないと思っているからだ。
こんなの、ただの巡り合わせに過ぎない。そんなオカルトありえない。
でも死体解剖に立ち会えというなら異論はない。粛々とその指示に従おうと思う。何故ならば、解剖補助をしている方が気が楽だからだ。
荒木部長にボロカス怒鳴られながら慣れない刑事の仕事をしているよりも、日が暮れるまで解剖に立ち会っている方が確実に楽だ。
「ふん。からかい甲斐のないやつだな」
が、しばらくすると荒木部長が反省したように、ちらりとこちらに横目を向けてきた。
「冗談だ、冗談。今はコンビだから一蓮托生だよ。仕方ねぇから俺も解剖に付き合ってやる。でもいいか、今回だけだからな。次は知らん」
「えっ……その、ありがとうございます?」
「礼なんか言うな。……あのな、真面目なのは美徳かもしれんが、全部自分で背負い込もうとするな。面倒な上司の台詞なんざ、話半分に聞いておけ。捜査実習の間にそれに慣れるのが、おまえの一番の仕事だ」
わかりました、と返して河童は頭を下げる。
やっぱり荒木部長って、粗暴な言動が目立つ割に、実は面倒見のいい兄貴肌の人物だという気がする。
やがて応援の刑事と鑑識係がやってきて、屋敷の中が俄かに騒がしくなってきたところで、
「ついてこい、実習生」
「はい!」
波乱に満ちた捜査実習の日々ではあるが、少しずつ成長している実感がある。それは、まっすぐ導いてくれる人がいるからだ。
河童は積極的に検視作業の手伝いを願い出て、やがて日が昇り始める頃まで、三つの死体の傍で慌ただしく過ごした。
たくさんの先輩捜査員たちに見守られながら。 November 11, 2025
3RP
【本気かよ】
その眼にすべてを見抜かれる。
息ができないほどの圧迫感。
警察学校のドラマ「教場」
ネトフリで配信中だったから
初めてみた。
人の嘘と弱さを暴き
容赦なくふるいにかける。
どこの組織でもありそうな人間関係が
暴かれていく様は目が話せない。 November 11, 2025
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