@xametal93 嶋田さんは「あなた加藤本人でしょ！」と言いたくなる存在感。学天即作った西村真琴役が実の息子さん(西村晃さん)なのも凄い。
ノベルズ版のカバーが大好きです。 December 12, 2025

吉村公三郎監督『越前竹人形』(1963)観了。昭和初期、越前の山奥にある竹神部落(架空)の竹細工職人・喜助は、亡父を贔屓客にしていた遊郭の遊女・玉枝(若尾文子)を身請けして妻にするが、同衾しない日々を送っていた。やがて玉枝は昔馴染みの客と情交して孕み、淀川橋本の渡し船で流産してしまう…。水上勉原作、宮川一夫のカメラが冴える、竹細工職人と遊女の悲恋物語。妖しい光を放つ若尾は無論、若き中村玉緒や西村晃の名演が見逃せないのだが、何より、渡し舟の船頭・中村鴈治郎の存在感が“川の神”ならぬ神懸かり的に抜きん出ていて素晴らしい。筋は救いようがないが、『竹取物語』を思わせる、ある種神話的ストーリーを、見事に芝居から切り取り抜き出し、画面で躍動させる、宮川のカメラが超秀逸。谷崎潤一郎が原作小説をべた褒めしたらしいが、筋の流れも自然で良い。これぞ映画だ。 December 12, 2025