花まつり トレンド
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2025.12.19 17:00
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12月のクリスマスと4月8日の花まつり。
どちらも聖人の誕生をお祝いする日なのに、この盛り上がりの差は一体どこから来るのでしょうか。
街中がキラキラ輝いて誰もが浮き足立つクリスマスに比べてお釈迦様の誕生日である花まつりはあまりに静かすぎます。私たち僧侶としては、もっと多くの人に知ってほしいと願っているものの、なかなか定着しないのが現実です。
よく「クリスマスは商業的になりすぎだ」なんて批判を聞きます。企業がモノを売るためのイベントになってしまっている、と。しかし少し視点を変えてみると、あの騒がしさの中にこそ私たちが学ぶべきヒントが隠されている気がします。
クリスマスの中心にあるのは「プレゼント」です。
誰かの顔を思い浮かべて何をあげたら喜ぶかなと悩み、自分のお金を使って贈り物をする。実はこの行為は仏教でとても大切にされている布施の精神と驚くほど似ていると思います。
布施とは単にお坊さんにお金を渡すことではありません。見返りを求めずに他者に何かを与えること。自分の「欲しい」という欲求を一度手放して、相手のために何かをする。これは執着から離れるための立派な修行の一つです。
そう考えるとある意味では商業化されたクリスマスは、倭国中で何千万という人が一斉に「布施」の練習をしている日だとも言えます。
きっかけはデパートのセール広告かもしれません。でも、「あの人を喜ばせたい」という優しい気持ちが循環しているなら、それはとても尊いことです。
花まつりが勝てない理由は、ここにあります。まぁ別に勝ち負けではないのですが。
お寺に来て甘茶をかけて手を合わせる。それはとても美しい儀式です。しかしながら、そこには「誰かのために何かを選ぶ」という、ワクワクするような布施のきっかけが足りません。
だからこそ、私は真剣に提案したい。「花まつりはカレーを振る舞う日」になればいい、と。花を贈る日でもいいけど、やはりカレー。
なぜ花ではなくカレーなのか。お釈迦様の故郷といえばインド、インドといえばカレー。これほどわかりやすいつながりはありません。でも、理由はそれだけじゃないんです。
カレーという料理には不思議な力があります。自分一人で食べるよりも、大鍋で作って誰かと一緒に食べるほうが圧倒的においしい。「今日はおいしいカレー作ったから食べていきなよ」その一言は、現代における最高の布施になります。
実は今、#4月8日はカレーを食べよう という運動がじわじわと広がっています。
4月8日は「大切な人にカレーをご馳走する日」でもいいわけです。
そうやってスーパーやスパイス屋さんが大キャンペーンをやってもいい。カレールーが安売りされてもいいし、福神漬けが山積みされてもいい。「仏教行事を金儲けに使うなんて」と眉をひそめる人もいるかもしれませんが、その商業的な仕掛けのおかげで、普段は仏教に縁のない人が「今日はお父さんに特製カレーでも作ってあげようかな」と思えるなら、それは立派な仏教の実践です。
入口は賑やかなほうがいい。
むしろ食欲をそそるスパイシーな香りがしたほうがいい。
「自分のため」ではなく「誰かのため」にタマネギを炒める瞬間を、社会の中にひとつでも多く増やすこと。それこそが、お釈迦様が説いた布施の心を現代に蘇らせる、ひとつの道ではないでしょうか。
カレー December 12, 2025
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