メンタルヘルスの第9回です。

今回は、適切な予防や配慮を行うために知っておくべき「精神疾患の男女差」について解説します。

精神疾患の発症傾向には男女で差があり、例えば「うつ病」や「適応障害」は、女性が男性の2倍罹りやすいという傾向があります。
これはホルモンバランスの影響などが原因の一つとされていますが、職場においてはこうした背景への一定の配慮が求められます。

また、具体的には、疾患ごとに以下のような傾向が見られます。

・女性に多い傾向がある疾患：月経前緊張症、産後うつ、摂食障害、適応障害、アルツハイマー型認知症、自殺未遂など
・男女ほぼ同数の疾患：統合失調症、双極性障害（躁鬱病）、強迫神経症など
・男性に多い傾向がある疾患：アルコール症、対人恐怖症、ADHD、自閉症、自殺既遂（完遂）など

特に、自殺に関しては「未遂」は女性に多く、「既遂（亡くなってしまうこと）」は男性に多いという極めて重要な差異も報告されています。

「自分や同性の感覚が全て」と決めつけるのではなく、性別による傾向の違いを知識として持つことで、メンバーの不調をより正確に捉え、適切なサポートができるようになります。

#メンタルヘルス December 12, 2025