肺胞 ゲーム
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2025.12.14 21:00
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これが怖いから、防水スプレーは、外で、息を止めて使ってる😅
事実か知らんけど、以前、
「肺胞は、濡れていないと、酸素と二酸化炭素のやり取りができない。防水スプレーを吸い込むと肺胞が濡れず、酸素と二酸化炭素のやりとりができない」
ってとこまで説明されてから気をつけてる。コワイ! https://t.co/rrHD7g6Ubm December 12, 2025
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解説:
防水スプレーの吸入で発症する急性の肺障害です。
スプレーに含まれる霧状の撥水成分、特にフッ素系成分によって肺胞に障害をきたすことが主な病態と考えられています。
防水スプレーは、雨具、登山用品、コート、靴など、日常生活やアウトドア製品に広く使用されていますが、狭く換気の悪い場所で使用すると本病態を発症する危険性がありますのでご注意を。
症状の出現時期は吸入量にもよりますが、吸入後数分から24時間以内に発症することが多く、咳嗽、咽頭痛、呼吸困難などを呈します。
重症例では呼吸不全に至ることもあります。
また、スプレー吸入後の喫煙が発症や重症化に関与することが報告されています。
画像:
胸部CTは「足側から見上げるビュー」なので、「画像の左側=患者さんの右肺」「右側=患者さんの左肺」になります。
吸入による肺障害では、気管支・気道に沿ったすりガラス影・浸潤影・粒状影が出現しやすく(添付画像の赤点線内)、一方で胸膜下では薬剤到達量が少ないため、比較的正常に見えることが多いという特徴があります。
本症例では、B先生が病歴聴取の際に有機溶剤様のにおいに違和感を覚え、直近数時間の行動について詳細に問診した点が診断につながった点がお手柄です。
防水スプレーによる肺障害は、呼吸器学会や内科学会の地方会でもしばしば報告されており、研修医が症例報告を通じて本疾患を知っていたことが診断の助けとなる場合があります。
本症例は、若手医療者に「病歴聴取の重要性」「症例報告を通じて症例を疑似体験する意義」を伝えることを目的としております。
また、今回のエピソードも過去の実例を基に再現したものです。掲載している匿名画像は、下記より引用しています。「中毒研究 32:284–288,2019」 December 12, 2025
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🫁 12/11【症例クイズ:65歳女性】解答
問1.最も鑑別の上位に挙がる疾患は?
本症例では、胸部CTにて両側下葉優位のすりガラス陰影および網状影を認め、さらにKL-6・SP-D高値を伴っています。半年以上の経過を有することから、慢性経過の間質性肺疾患(ILD)と考えられます。
ILDの診断においてまず重要なのは、明らかな原因を有する二次性ILDか、原因不明の特発性間質性肺炎(IIPs)かを見極めることです。本症例では、吸入歴などの環境因子はなく、膠原病や血管炎を示唆する身体所見や自己抗体所見も認められません。したがって、現時点では二次性ILDよりもIIPsの範疇に入ると考えられます。
次に、IIPsの診断で重要となるのが胸部HRCT所見です(スライド参照)。特発性肺線維症(IPF)は、典型的なUIPパターン(胸膜下・肺底部優位の網状影、不均一な分布、蜂巣肺や牽引性気管支拡張)を呈する場合、臨床像を含めた多職種合議(MDD)を経て診断可能です。しかし本症例では、UIPパターンは認められません。
むしろ、気管支血管束に沿ったすりガラス影と網状影が主体であり、蜂巣肺は認められないことから、画像パターンとしてはNSIPパターンが示唆されます。
鑑別として似たような画像所見を示すものとして抗ARS抗体症候群が挙げられますが、測定可能な抗ARS抗体は陰性であり、同症候群に特徴的な皮膚所見や筋症状も認めません。また、肺胞蛋白症(PAP)に特徴的なCrazy paving patternもありません。
以上より、現時点での鑑別診断の最上位は『特発性NSIP』と考えられます。ただし、確定診断のためには、肺生検などを検討する必要があります。
答え:特発性NSIP
問2.あなたならどのような検査を行って肺病変を確定診断する?
NSIPの確定診断には、原則として病理学的評価が必要であり、外科的肺生検(SLB)または経気管支クライオ生検(TBLC)が検討されます。
一般にSLBは、胸膜近傍病変を含む十分量の組織が得られることから、診断的意義はTBLCより高いとされています。そのため、呼吸機能が保たれ、耐術能がある症例ではSLBが最も確実な方法と考えられます。
一方、SLBが困難な場合や患者の同意が得られない場合には、TBLCが検討されます。本症例では両者とも理論上は選択肢となり得ますが、気管支喘息の合併が重要な判断材料となります。
TBLCでは手技の特性上、咳嗽の抑制が極めて重要であり、実臨床では鎮静・鎮痛目的にフェンタニルが使用されることが一般的です。しかし、本邦のフェンタニル添付文書では「喘息」が禁忌とされており、本症例では使用が困難です。フェンタニルを用いないTBLCは実施上のハードルが高いと考えられます
以上を踏まえると、本症例ではFVCおよびFEV1が約88%、DLCOも約80%と保たれていることを前提に、SLBを選択するのが妥当と考えられます。
なお、気管支肺胞洗浄(BAL)は病理学的確定診断には直結しないものの、治療反応性予測の参考となるリンパ球増多の評価や、過敏性肺炎、PAP、肺胞出血などの鑑別に有用です。今回の設問では「外科的肺生検+BAL」を同時に施行する印象を与えてしまいましたが、実臨床の時系列としては、BALを先行し、その結果を踏まえてSLBを検討する流れがより適切と考えられます。
答え:(気管支肺胞洗浄 →)外科的肺生検
本症例ではSLBにより病理学的にNSIPパターンが確認され、特発性NSIPと診断されました。
なお、NSIPは経過中に膠原病などを発症することがあるため、初期には特発性NSIPと診断された症例であっても、後に二次性NSIPへ診断が変更される可能性があります。そのため、本症例においても、膠原病の新規発症や関連所見の出現に注意した長期的フォローアップが重要です。 December 12, 2025
昔は「酒は百薬の長」と言われて酒好きの飲む言い訳によくなってたけど、今ではやはり、少量でも身体に悪いと聞く。
喫煙で劣化した肺胞は元に戻らないことと併せて念頭に置いておく。
とはいえ、夕食時に飲みたくなることがある。
ビールは350ml1缶、ワインはグラス一杯ほどでやめておく。 December 12, 2025
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