破戒 映画
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2025.12.14 08:00
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「倭国の近代文学で、今なお読まれているのは漱石や鴎外で、私小説は…」と先崎彰容が言ってるけど、当時の私小説の源流にあったのは、やはり「自然主義」だったのだと思う。
現代の私たちが「自然」と聞けば、地球環境とかエコとか、そんなイメージを持つけれど、19世紀の自然、ネイチャーという言葉には「本質」という意味あいが強かった。だから「自然権」といった主張も広まったのだろう。
文学が人や社会の本質を突くものであるならば、それは内にあっては、個人の体験談へ。外に向かっては、社会の矛盾の指摘へ。それを暴いてゆくのだ…という感じの流れになり、私小説の流行もあったように自分には思える。この延長線上に、いわゆるプロレタリア文学の隆盛があったのかも…。
だから自分は、例えば田山花袋の代表作は『蒲団』ではなく『東京の三十年』のように思えるし、また島崎藤村の貢献は『破戒』というよりも、むしろ記録文学的な意味合いが強い『夜明け前』のように感じられる。 December 12, 2025
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