睡眠不足

睡眠不足(すいみんぶそく、Sleep deprivation)とは、充分な睡眠をとれていない状態であり、慢性、急性の両者が存在する。慢性的な睡眠不足は、疲労、日中の眠気、作業精度低下、体重減少もしくは増加を引き起こしえる。これは脳や認知機能に影響を起こしえる。しかし睡眠不足は逆説的には、エネルギーを増加させ覚醒を促すため、うつ病の治療法としても用いられる(断眠療法)。 急性睡眠不足と、慢性睡眠不足の影響を比較した研究はわずかである。長期間にわたる睡眠の完全な欠如は、ヒトでは確認されていない(致死性家族性不眠症を除く)。マイクロスリープは避けられないようである。動物実験では、長期間の睡眠不足は死を引き起こしえる。 睡眠不足は、睡眠時に脳内で老廃物清掃を行うグリンパティック系が効率的に働かなくなるため、認知症を引き起こすタウタンパク質などの蓄積につながり神経細胞が破壊される。また、脳内で死んだ細胞などを取り除く仕組みである食作用を行うグリア細胞のアストロサイトとミクログリアが睡眠不足時に活性化し、使用頻度の高いシナプスを破壊し脳を縮小化させ不可逆的なダメージを与えるという研究結果も出ている。過度のミクログリア活性はアルツハイマー病などの脳神経疾患とも関連している。
睡眠不足」 (2024/7/22 11:19) Wikipedia倭国語版より
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