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無形文化遺産
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2025.12.16 01:00
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先週、「イタリア料理」がユネスコ無形文化遺産に登録されることが決定しました。
国家・地域レベルの食文化遺産としては、フランス料理、和食、地中海料理、伝統的メキシコ料理に続く、5件目となります。
今回評価されたのは、パスタやピザ、ジェラートといった代表的な料理そのものではなく、奥深い理由があります。
具体的には、新鮮な原材料の使用、職人技と家庭知の融合、無駄を省いたレシピに内在する持続可能性、そして世代から世代へと受け継がれる味、技術、記憶といった、料理を取り巻く文化的営みの総体といったところです。
特に注目すべき点は、食を「個人の摂取行為」ではなく、家族や地域が集い、ともに作り、ともに食べることで関係性を更新していく「共同体的営み」として捉えている点ではないかと考えています
日曜日のランチや、祖母が孫にパスタの作り方を教えるといった日常的な「儀式」は、生物文化的多様性(biocultural diversity)を体現する「生きた伝統」として高く評価されています。
ガストロノミー研究者の立場から見ても、正解となるレシピを固定せず、地域差や家庭差という多様性そのものを価値として受け入れてきた点は、未来の食を考える上で極めて示唆に富みます。
そこには、食を通じて知識と記憶を継承し、社会的つながりを維持する高度な文化的システムを感じます。
イタリア料理は、「何を食べるか」を超えて、「どのように生き、どのように他者と関わるか」を示す文化として評価されたのではないかなと感じます。
じゃ、(和食じゃなくて)倭国料理は世界の中でどんな特徴や価値があるのかと考えるとうーんとなってしまいます。
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